07 社会人音大大学院1年の1週間

社会人音大大学院1年生の1週間
だいたいこんな感じだった。という記録だけれど、上の図に不定期のものがガンガン追加される。夜の仕事は、制作案件が多いので、深夜になることも。
ああ、そうだ、日曜夜は和声課題をやっていた。

■レッスン
先生によっては毎週何曜の何時、と決められるケースもあるが、私の先生は不定期で、60分が月3回くらいで、2日連続!ということも何度かあった。朝イチだったり、夜8時からということも。それもあわせて、大体この辺りに入ることが多かったかな?ということで一応図中には書いておいた。

院生の特別レッスン(日ごろの師匠ではない先生に習うことが出来る)や、海外から来日中の演奏家のレッスンも実施される。

ソロの本番(試験含む)の前は、伴奏との合わせも入ってくる。

■オケ、室内楽
本番が近くなると授業が増える。
オケは特に本番3日前から、15:00~21:00まで連日の詰め込みがあり、疲労のピークに本番を迎える。
室内楽授業は不定期で、先生とメンバーが都合よい日を都度決める形式。
授業の前や本番前は、室内楽の合わせが必要で、これもメンバーで組む。朝8時集合で合わせ、9時から室内楽授業、10:30からも同メンバーで別の先生の別の曲の授業…なんてこともあったなぁ。

■特別講座
いろいろ充実していて、先生のご都合で休みの日に開講されていたり、
19時頃にやっていたり。前半は特に、いろいろ行った。

■演奏会
とても多かった。数えられない(^-^;

■日曜は休めたのか?
・・・1/4くらいyes. 自分が演奏やスタッフをする学内演奏会も入るし、仕事もあるし、文献も読みたいし、課題もあるし、練習も・・・
なんて言っていると、眠っていても頭が仕事していた気が。テレビも映画もほとんど観られない。

バテバテてどうしようもなくて、時に夫と飲むお酒が、文字通りガソリン(燃料)になっていたかな。

03新年度準備3 衣装ほか各種

まず、入学式に何を着る?
卒業式と違って、地味地味でよいと思われる。
・・・が、今更リクルートスーツなんて着れるか?と思っている世代で、しかも音大。
裾が広がらないワンピースにジャケットにした。爽やかな紺にパールとスカーフ程度。
あとはきれいなヒールを履けばよし。
このままマスタークラスもコンサートも立奏の軽い本番も行けちゃうレベル。

さて、必要な衣装類は、それなりに揃っているが・・・
必須準備その1 女性の場合
・白黒ブラウスと黒のフルレングススカート、できれば裾の広がり方が違うもの。
・黒パンツ
はまず必須

「色」と「黒」をそれぞれ揃えておく必要はあるのは、
・フルレングスドレス(肩を出すもの出さないもの。若い子はどの時代のプログラムでもマチネでもみんな肩を出しているけど。)
・ブラウスも、ステージ用にカラーとデザインバリエーションが豊富だとよい。
・靴・・・私は黒とシルバーorゴールド。つま先とかかとがちゃんとあり、本番使用に慣れたもの。写真の一番下の黒い靴は、エナメルの黒で、ダッシュ走や長距離歩きができるもの。私は都内でライブ予定日に震災が起きたので、それからはもう何年も、ライブの時はこのタイプ(;^_^A。お客様に失礼なく、でももしもの時、お客様を逃がした後、自分もダッシュまたは歩いて帰ることができるように。

アクセサリー
・本番の演奏の邪魔にならないもの
・スワロフスキーは客席への視覚効果抜群!
・・・だけれど、ホントよくなくすし、よく壊れるから、結局ちょくちょく買うことに。(同じようなこと言ってる演奏家が多い。笑)

0章と1章の間 新年度準備

大学院カリキュラム説明会へ。
大学院というところは授業自体は少ないもんだ!と思っているけれど、
音大は授業以外の拘束時間が長そうな予感。演奏会にむけた練習など…。

毎週必ずある授業ばかりではないとのことだけど、個人レッスンなどはその都度日時が指定されるのだろうから、あとは自分が努力することだけでなく、強運をもっていないと乗り切れないかも。

大学院留学生(博士の最終semesterにある英会話の先生に、「私はフルタイム大学院生だけど、あなたはパートタイム大学院生なのね?」と言われ、そうともいうのか・・・と悩ましく思ったが…いえ、元々8時間労働よりずっと働いているから稼働時間はまるで8時間労働者と違っている。8時間労働者なみに学校にいられる私は時間的にはやっぱり違う!

仕事を減らし、引き継ぎなども並行しているが、
必修が集中することがわかった曜日に、
その日は既に通年契約案件で出られないことがわかった。

その後も教授と学務部に問い合わせを続けており、迷惑な新入生をしている。(;^_^A

単位もさることながら、2度と訪れない機会に、院でこれを受けたかったのだ!というものが受けられなかったら、院に行く意味は半減する。

時間の取り合いをしているものの、その一方で、
学部オケの有償の演奏補助員に募集すらない楽器なので、選択肢すらないことが、なんか悔しい。

それから、心得として再確認しているのは、
情報、判断、選択をはやく。決断を特に早く!
そして練習、場数、縦横つながりの充実に努めること。

夫の異動は新年度はなさそうだとのこと。
しかし、海外出張期間が毎回数カ月に及ぶ見通しも。
良きかな、悪きかな(*-*)。

厳しい2年間になりそうだ。

それと、論文の研究テーマの提出が5月とのこと。
研究したいことが今更ながら多岐に渡り、論文にするものとして深めやすいもの、取っ掛かりのあるもの、無意味なもの、に分けつつ、アドバイザーがまだないところでちょっと困っている。
綿あめマシーンの最初のように、小さなイメージ断片がいくつも湧いて、まだつながってこない。
とりあえず手に入る書籍を集めた2月。

余01 音楽家の確定申告

大学院の学費は経費になる!?

資格を取るわけではないから、経費にはならないだろうと思っていたけれど、青色申告会では「あなたの場合はなるかもしれないから税務署に問合せたほうがいい」とのアドバイスで問い合わせる。

①音楽講師をしていること、
②続けながら通うこと、
③信頼を得ることにつながり、集客のため大きな宣伝となること、
④大学でなく、院であること(より専門性が高い)

・・・により、
資格を取るのと同じ扱いでよいでしょう
という回答を得た。

つまり経費になります!!ヤッホ~(^0^)ノ

但し注意点:
税務署で、いつ誰がその回答をくれたか、回答内容と共に記録しておくこと!

0章 受験まで-04④準備:意志表明

準備その4

4.先生と家族に意思を伝えること
5.伴奏ピアニスト探しと依頼


4.家族に伝える

驚いても特に反対されなかった。
生あたたかい目で応援してくれているけど、受験が本格化してから私が家でもまるで分刻みのように動いているから、週一くらいはゆっくり話をする時間が重要だ。

4-2.先生に伝える壁

私の(時間を含む)実力の程度を最もわかった人々に、
人生で1番浚い込んでいる(と思われる)現役に混じって受験することを申し出る精神的ハードルの高さ。(@_@;)

年度初から準備はしているものの(…といいつつ度々仕事の演奏案件で新曲の浚いこみがあるし、いくつか試していたため選曲完了が院試1か月前という危うさ。)、やっと心を決めて伝えられたのは、実はなんと院試3ヶ月前。
だけど、伝えたことによって見えなかった道が急激に浮かび上がり、協力者は増え、更に更に 時の進みは速くなり、万札には羽が生え、血管が切れちゃいそうなほど多忙な日々に突入した。
T先生は何も言わずに具体策を打ち出してくださり、私がホールや音楽室でレッスンやコンサート形式をしたいと言えば出向いてくださった。S教授は「え、まだ暗譜出来てないの? 学部生でさえ落ちてる。ホントにすごいんだよ(例:暗譜が出来てから更にコンクールをいくつも受けてきた状態で受験する。ライバルはクラリネットだけではない。留学生や留学帰りも受ける)。試験は公平に見るからね。」と仰りつつ超ご多忙中に真剣に見て(看て)くださった。

5.伴奏者探しと依頼

基本的に自分で手配しなくてはならない。(留学生など、遠方からの受験でなければ)
院試は各校で3~4日あり、演奏実技は2日間くらいで実施されることが多いようだ。
ただし、自分がどの日に割り振られるのか、1か月前にわかることもあれば、出願者が出揃ってから割り振られる場合もある。ただし、詳細なタイムスケジュールは、ごく直前に告知されることが多い。
だから、せめて2日間のスケジュールを空けてくれるピアニストを探さなくてはならない。

私の場合、決まっていたのだけれど出願直前に余儀ない事情で降りられることになってしまったため、そこからの伴奏者探しはとても大変で、決まりかけてはダメになるという…。そのために更に練習時間も割かれ、受験だけでもハードルが高いのだと感じた。ともすると受験すらできなくなりかねかったが、
その日は不都合だった院の先生や院生さんが、院に掛け合ってもくださった。最終的には電話で直談判的申し入れ。

かくして・・・最終的に伴奏は、特例として院が手配くださった方と、なんと先生の奥様(音高の先生)がつとめてくださった。ふーーーっ!!冷や汗と涙。


備:

何度も一緒に本番を経られたピアニストと挑めるのがベスト。

でもそうでなく急な場合、例えば演奏会のプログラムに乗りやすい曲や伴奏科の受験科目になっているようなスタンダードな選曲をしておくと、ピアニストにとってもレパートリーになっている可能性があり、ミニマムな練習と合わせでできるので、急でも受けてくれやすかったりすることはあるかもしれない。

よく伴奏ピアニストの紹介依頼やの伴奏謝礼を尋ねられるので、ごく参考までに書いてみると、単発なら、合わせ2回で学生さんだと1万円~。プロになると2-3回合わせで2~3万が最低ラインかな、と思われる。2018年現在。
しかし人それぞれではあるので、直接たずねたりすべき。

0章 受験まで-04③準備:費用

準備その3

3.貯金


費用

私立2年間で、学校に納めるだけで400万程度みておく必要がある。
更に楽譜、消耗品、専門書、別口レッスン、伴奏謝礼、何かのエントリーや受講料、衣装、交通費…等で費用はいくらでもかさむ。
受験以前にも、既にレッスン費やエントリー費、楽器メンテナンスや消耗品費、備品費、伴奏謝礼や練習会場費もモリモリかかっている。

入学後も納入金以外にもまた・・・。

とは言っても、音高、音大とずっと私立で来た人や地方から出てきた人などは、実家の土地を売っただの、借金してだのという話も聞くので、大学院だけというならそこから見たらものすごくリーズナブルなのかもしれない。(管弦ピアノ声楽で、かかり方はかなり違うけれども。)

私にとって決して安くない金額だが、大人がこのくらいの出費を他のことに置き換えるとしたら、どんなイメージなんだろう?
頑張ってちょっとよい新車を買うことにした。というのと同等くらいか??(二子玉川ライズの催事で見たアウディQ2は・・・。)
または楽器を買うレベル?(実際、アマオケマンなどはものすご~く良い楽器をお持ちの方がよくいらっしゃる。。)

学費は年齢なりの貯蓄か、自分と家族が健康であれば(絶対条件)なんとかなる。

学生期間中、仕事を更に減らすので収入は減りつつ、国民年金と国保支払いは続く。
頑張ります、ハイ。

0章 受験まで-04②準備:時間の捻出と圧縮

★準備その2

1.仕事(時間)を減らすこととシステム化、ライフハック
2.練習時間の捻出と確保、更に圧縮


※とにかく練習時間を確保したい!!

仕事時間を減らす。

私は個人事業(音楽教育、演奏、制作)をしている。他に、雇用されている案件(これも専門職)が週15時間。
いずれも私にとってとても大事な仕事。その中で時間的に、行ってその場で力を尽くしてくるものは見通しが立てやすい。最も時間が読みづらいのは…

そこで

→ 数年かけて個人事業の内容(比率)の変更。
制作会社や広告代理店等の制作案件を手放した。
→収入は激減。でも徹夜仕事はほとんどなくなった。

教育は、新規開拓から軌道に乗り始めたばかり。のめりこむほど無限に時間を取られていくので、自主教材やレッスンの仕組みを改良。

時短系ライフハック術を磨く

生活の中の時短術・・・これは随分磨いてきた。その積み重ねで時間を捻出し「学生もやれる!」という自信になった。笑

いかに時間を圧縮するか

次は確保した時間の圧縮。
※時間の圧縮法: 高い目標を立ててモチベーションを上げまくって挑むことで時間を濃くする。
年間予定に以下をはじめから日程に組み込んでしまい、それによって動く。

検定受験英国王立音楽検定詳細レポート

コンクールにエントリー
時間のない中でいかに本番にのせる?という荒治療のようなトレーニング。
ステージで初暗譜演奏なども実験(すみません(^-^;)。
楽器の仕掛けを変えて扱いきれていない時は、ホールごとに自分の音の響きを知る場にも。
失敗しても留年しないし、演奏会と違って人に迷惑が掛からないし、ある意味試験環境がそうない社会人向けかもしれない。

(あまり実験せず、あまり問題なく集中できる年は結果はそれなりについてくる。が、地区予選、地区本選、本選・・・と進むほどに、コンクール商法にあったかのように(?)出費はかさむ。国内ならエントリー費に旅費、ピアニスト謝礼合わせて15-18万くらい)

国際音楽祭でマスタークラスを受講
夏の2週間の確保のために、まず家族の理解を得、年明けから通年契約の各クライアントに頭を下げ、気合いを入れてこじ開けなければならない。そのしわ寄せがだいぶよって春と秋のスケジュールはかなり綱渡りに。風邪をひいても休めないので葛根湯と麻黄湯が常備薬。事前に課題曲を浚いこむ時間とレッスンもあって、 休日もなく相当しんどくなる。それでも行く価値は大いにある!!!

おさらい会やプレコン主宰
演奏仲間プロアマ混合3~4組で、ホールを借りて緊張感あるプレコンサートをし、布石にする。ステージこそどの練習にも勝る。

(これは院試真っ只中にもやった。)



★★しかし、院受験を決め本格的に準備をするようになってから、改めて何度も何度も思い知らされた。
現役学生たちは最も浚い込める充実した時期だが、こちらは圧倒的に時間が足りない。
少ない時間を濃くするなんていうのは限界がある。家庭の支出の食費をいくら切り詰めたところで結局全体から見たら大きな支出減にはならないのと似ている気がする(^-^;。
昼休みにカラオケ屋で練習するか音楽史を読み込み、仕事の後その足でそのまま20時〜2,3時間またカラオケ屋に籠る。帰宅してざっくりと家事をしてまた仕事をして、翌日仕事の後は合わせやレッスン。帰って復習した後また深夜まで働く。時間は濃いがハードでヘトヘト。そんな日々。

こんな生活は続けられない。私も家の中も疲弊していく・・・。
それでも時間が足りない。

こんなで合格できるか? 合格してもこのままならそのうち倒れる。

無理なく通える生活圏にある学校でないと無理か? 今持っているものを(全てではないが)失わず、よい環境、よい教育、練習時間を得られるのはどこだ?

しかも学生でもないこのような身分(単に受験検討中の社会人)なら、優先順位は1.2が仕事と家庭で、私の問題でしかない受験など建て前上3ダ!
とにかく今がキツイ!!!
早く学生になって”いずれ学びを還元します!”と言うことができる身分になりたいと思った。

0章 受験まで-04①準備:師に出会う

★準備

0.素晴らしい師に出会うこと
1.仕事(時間)を減らすこととシステム化
2.練習時間の捻出と確保、更に圧縮

3.貯金
4.先生と家族に意思を伝えること
5.伴奏ピアニスト探しと依頼


いかに師に出会うか

世の中ピアノの先生は多いのだが、管弦楽器となると先生が少ない。地方にいるときは尚だった。
しかし熱心で優れた師匠に出会わなければ、ぬるま湯になったり、目標を見失うことがある。

プロオーケストラのステージマネージャーアシスタントをしていた友人が、オケマンに出会わせてくれたのがレッスンのきっかけになったり、
見知らぬ土地に引っ越した時は、大学の学生課に出向いて行って何度も教授の来校をたずねたこともあった。

1と2が問題・・・続く

0章 受験まで-02 一般大学卒→音大大学院

★一般大学卒 → 音大大学院

できれば(音大より)その先へ・・・と思った理由

  • 長く生きているだけあって音大の四年間でカリキュラムにあるであろうソロ、室内楽、吹奏楽、オケの本番回数は軽く越えている、というか数倍…
  • 音楽理論と演奏に関し、ABRSM英国王立音楽検定という由緒ある検定の優れたシステムで学べたことは大きい。(検定の詳細はまた後日
  • 演奏会企画~集客~開催~残務、まで、演奏だけでなく運営も何度も経験している。
    ————————
  • 一般教養を受け直す時間があれば練習したいに決まっている。

0章 受験まで-01 大学院?

★なぜ大学でなく大学院?

学部が違うのに?とは思うかもしれない。
でも音大から入り直すという選択肢はなかった。仕事でなく通うに四年は長い。音楽は生涯かけて学ぶものであっても。仕事も家庭もあるので余計なことにも時間が取られる大学生はイヤだ。私はケチなのか。編入も…なぜかまったく興味なし。

教育系公務員、制作畑を経て、現在、音楽教育/演奏家の端くれとして既に認知されつつある仕事があって、様々な親子に出会い、発達障害や障害を持つ子どもたちと関わる機会が増え、
自分がこの先 更に学ぶものについて発達心理か、音楽療法か、演奏か、どれもやりたくて(必要で)ひとつを選べない。
卒業した大学には児童学科があって、他学科からでも院の受験資格があるか、経歴や資格、研究フィールド等を提示し協議していただいたときに受験可能の回答を得たことで、進学は大学院と考えていた。
大学院へはまずひとつに、およそその学部/学科の学位と同等程度の学びやキャリアがあることを示すことができればよいということなのじゃないだろうか。

この他には、
コンクールの本選で出会ったある音大院生の誘いで、院の室内楽授業に数回演奏の手伝いに行って授業に参加し様子が見れたことがあったのも影響している。

そして一番学びたいことは音楽だった。