0章-08 音大院試2

A音大院試、翌日別曲でのプレコンサートを経て、週末Q音大院試。
Aの経験から、告知のタイムスケジュールとはほぼあてにならないことを学び、マウスピース回りの温度と湿度のキーパー?を自作する。
廊下にヒーターがあり、楽器が冷えることはなかった。

Q音大院試

こちらは社会人入試。大学院課に、外国語や音楽史が免除され実技一発となる分ハイレベルだ。その曲を一緒に取り組んできた伴奏者とでないと不利だ。と説明されていた。
説明会ではいかにも「うちは倍率高いので落としますよ!」というスタンスだったが、試験は不思議とアウェイ感がなかった。教授陣が11名ズラリと並び、ようこそ。と見守ってくれる感じ。

演奏実技

30分間ピアノとリハをさせてくれる。その後ヒーターのある廊下で待ち(10分程度)、呼ばれて素敵なホールに入っていくと、軽く音出ししてすぐ始める。
25分のプログラムを用意し、実際の演奏時間は10分程度。ソナタ形式なら展開部の終わりまで。
そのまま面接が5分強。

この試験まで、自分と別のところで色んなことがあって、実技試験の場に立つことさえできないかと思った。
どんな脆弱な足場でも、如何にする? 如何に心を立てる?

と問われ続けたようで、それは凄いメンタルトレーニングになった。

面接

思いがけず、世界のM教授に、
あなたが提出した研究テーマにあったこれこれについて、僕は是非ききたい‼️
と質問攻めにあった。
嬉しくてお礼を言ったけど、曖昧なところを探求しているところなんだから答えなんて話せないんである。
でも、せっかくこんなに興味をもっていただけたのに
うまい返しができないとは、
まるでひな壇でくじけるお笑い芸人のような気分(?)だった😭

0章 受験まで-07 受験の年の4月~

音大大学院を目指すのに、留学でなければ学部の3年頃には視野に入れるだろうに。我ながら時間のなさ、休みのなさ、準備開始の遅さ、はかどらなさなどは、今思い返してもクラクラする。
誰かほかの人が見たら、あ、この人よりマシだわ!と思うかな。

4月

Q音大の院を受けよう!と志す。(仕事しながら通うには遠いが師事したい先生が。)

今年の課題曲をおよそ決めて譜読み~練習開始。

  • 無伴奏 (バロック、近現代)
  • コンチェルト(ロマン派)
  • コンクールピース(近代)

★仕事の年度ルーティン:

  • 5現場のちびっこレッスン
  • コンサートフライヤやチケットの制作、企業のホームページのメンテや制作。などは毎月様々に入る。
  • 週15時間雇用案件(14-20時。こちらも専門職)

このほかに、
親子音楽イベント、コンサート出演、発表会スタッフ~講師演奏等がよく入ってくる。

仕事で毎週200名弱のちびっこたちに会うようになって、いつも畳みかけるように様々なウィルスに晒されていて、発熱、胃腸炎が頻繁。常に白血球が何かとたたかっている状態。
なので体力回復に眠るのも仕事。

5月

レッスン(個人、大学)
課題曲浚う
和声分析

うちの暴れん坊が手術

6月

6/6-6/29梅雨 下旬~夏日開始
コンクール予選用無伴奏録音とエントリー
近代曲、
技巧曲での脱力と発音仕掛けに悩む、試行錯誤が9月いっぱいまで続く

7月 暑さで消耗

近代、現代
コンクール予選、一次二次
ミニコンサート
Pfとの各合わせ

何週間も休みがない。

8月 夏が長過ぎる・・・

ロマン派、近代、現代
コンクール 本選 (院試曲)
Pfとの各合わせ
ホールや音楽室での練習、合わせ
無理してこじ開けた2週間にマスタークラスの開講がなく、家族旅行とメンテナンスで命の洗濯へ

9月 師匠にやっと今年受ける意志を表明

コンサート出演
レッスン、ホールレッスン
Pfとの合わせ

楽器も人間もリペアとメンテ。
リード選定購入もあって更に楽器店通いが頻繁。
仕事の合間の昼休みに沿線のA音大大学院の説明会へ行き、衝撃を受けて2月出願を考え始める。
コンサートで演奏した現代曲の感触がよく、院試の選曲を変更する。

10月 出願

出願…の直前に伴奏者が降りることに。伴奏者探しに奔走。なかなか見つからない。
レッスン中に、A音大(院)の11月受験が急激に決まる。既に出願したQ音大(院)と課題曲が違い、更に厳しい1ヶ月となる。
リペア
ピアノと合わせ
音楽史

11月 出願2

院試2校
院試期間中プレコンサート(暗譜が完了しない💦)
院試2日後コンサート(無伴奏劇中歌新曲)
ピアノと合わせ、
伴奏者を伴うレッスン
楽器の不調多発しフルリペア
暗譜(前夜になってもまだ自信がなくて何度も何度も確認していた。最後までジタバタ)
音楽史。試験後も復習。

院試直前に夫両親逗留。練習できない日も。

院試後、新しいリードを試す。

11月末-12月 合格発表

12月~

コンサート
ミニコンサート。
スケール、エチュード 重点的に。
年度末までの課題曲としてコンチェルトの選曲
院試成績開示
入学手続き

各方面へお知らせ、ご挨拶、クライアントと来年度スケジュールの調整開始

0章 受験まで-05 ABRSM英国王立音楽検定とは?

この検定の勉強を経てやがて進学を考えられるようになったので、数記事書いておくことに。

*

英国に、エリザベス女王が総裁をつとめ、120年以上続き90カ国で行われている世界一有名な音楽検定がある。優れた音楽家を育てることを目的にしているという。

理論検定グレート1~8、実技検定グレード1~8、更にその上にディプロマがある。>>レベルのめやす
ディプロマにも段階があり、ひとつ目のABRSMは英国王立音大の1年生レベルとされる。

>> 英国王立音楽検定日本事務局オフィシャルサイト 

ここには出来るだけオフィシャルサイトにない経験からの情報や感想などを書きたいのだけれど・・・

特に音高や音大のカリキュラムに自分を投じていなくとも、マイペースで学んでいくことが出来るこの検定のカリキュラムとシステムはとても素晴らしい。
演奏実技に偏らず、理論も学べるところがとてもよい。ここで出している問題集がよいとっかかりとなる。

果たして理論というと何をどのように勉強すればよいのかイメージがわかないという状況を脱するのに、検定を目指して勉強していくのは効果的で効率的だったし、間違いなく、その後の演奏を助けた。

さらに実技試験も課題曲の演奏だけでなく、スケール、ソルフェージュ、初見演奏や口述もある。
理論G5、実技G8は、併せてきほんのき、に違いないのに、楽器のレッスンだけ受けているとそこまでカバーされることがない内容だ。

試験は英国からの試験官がアジアエリアをツアーするので、年2回春と秋に日本でも受けられる(東京、神戸、福岡など)。
実技のグレード1(G1)は子どもも受けるが、グレード8(G8)になると英国王立音楽大学の入試レベルとなっていて、日本からも英国留学前には必ず受けて、そのスコアによって音大入試に加点される仕組みらしい。

検定は最終的に国際的な証明となるディプロマの学位が取得でき、それには最短でもこのようなルートを取らなければならない。

音大や音大院を卒業/修了していようと、留学していようとこの順で行くしかない。

>> 検定内容 に続く

>>理論検定G5 → >>実技検定G8 → ディプロマABRSM