0章 受験まで-05 ABRSM英国王立音楽検定 ディプロマ

国際的な証明とされるディプロマ取得と、勉強すべき内容や勉強の仕方がわかったことで、院進学を初めてイメージできるようになったので、記録しておく。
(尚、ディプロマにも段階がある。)

ディプロマABRSM 試験内容

★演奏~リサイタル形式(時代様式や表現、テンポの異なる選曲)
初期ロマン派から現代まで4曲組んだ。

リピートも休憩も入れず。(規定は休憩5分入れてよい)
曲間に必ずスワブを通し、A管とB管の持ち替えもあったので、40分弱程度。
ドレスで、きちんとお辞儀をして始める。

★口述試験
1200 words弱の英文で書いたプログラムノートを提出し、試験官の前でスコアを広げて座って質疑応答のような30分。録音される。通訳付

例:
・シューマンの円熟味をどういうところに感じるか、スコア上で示せ。
・ソナタ形式をスコア上で示せ。では再現部の第二主題は何調?
・ジャズテイストをどこに感じるかスコア上で示せ。更にメロディ、リズム、和声の何から感じる?
・ここは何調?
・ここは合わせが難しいところなんだけど、ピアノとどう合わせたの?
・楽器の歴史(発生や進化、進化に携わった人、楽器の特性、作曲家が取り入れ始めた時期…など)

普通は30分もやらないらしく、通訳も驚く長さだった。
私の前の受検者が腱鞘炎によるドクターストップでキャンセルしたそうで、その分私の時間が長かったのかもしれないし、私のプログラムノートが突っ込みどころ満載だったということかもしれないけれど、「ねえ、きみたち。この難しい曲を二人はどうやって合わせたの?」と興味津々の様子。
本当にたたかいだった(^_^;)
後で知る。この時の試験官はメンサ会員だったとのこと。

★クイックスタディ
1ページの楽譜を渡され、5分練習したあと演奏。
(たぶんカバリーニの前半などが初見の練習に使える感じだった)

合格通知は翌月に来た。(普通は2,3ヶ月先だが、EU離脱の国民投票があった時で、色んなことが前倒しされたのか??)
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雑感とアドバイス、的な。。?

秋に英国王立音大入試レベルのグレード8を取得できて、間を空けずすぐ春のディプロマ受検を申し込んだが、

すぐ…というのはもったいないことをした。
この検定は、理論と演奏を系統立てて学ぶにバランスがよいと思われ、システムと教材が優れているので、忙しいなりにも1年くらい時間をかけてじっくり勉強すべきだと思う。学んだ直後から楽譜の捉え方や見え方が変わってくる。
グレードが上がるほどお値段もガッツリ上がる。
しかも結構落とされるようだ。
だから尚更、
有意義な取り組み期間にされてください!!!

理論G5以来、演奏以外、
楽典、聴音、和声、ソルフェージュ、アナリーゼ…などはほぼ独学だったけど、
厳しい時間捻出の中で、とても有意義な濃い時間だったので、
あれがあと半年あったらもっとよかった、とは今もちょっと思っている。

口述試験はとてもハード。思いがけない方向からも質問が飛んでくるし、結構突っ込まれる。日本の音大生ならほとんど答えられないだろう(と私の先生は仰っていたが)口述問題がドカドカと来るが、
ヲタクっぷりを発揮しすぎると、今度は「もっと一般客に話すつもりで」とたしなめ(?)られる。(~_~;)

> ABRSM英国王立音楽検定とは?
>> ABRSM英国王立音楽検定 日本事務局

>>理論検定G5 → >>実技検定G8 → ディプロマABRSM

0章 受験まで-05 ABRSM英国王立音楽検定とは?

この検定の勉強を経てやがて進学を考えられるようになったので、数記事書いておくことに。

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英国に、エリザベス女王が総裁をつとめ、120年以上続き90カ国で行われている世界一有名な音楽検定がある。優れた音楽家を育てることを目的にしているという。

理論検定グレート1~8、実技検定グレード1~8、更にその上にディプロマがある。>>レベルのめやす
ディプロマにも段階があり、ひとつ目のABRSMは英国王立音大の1年生レベルとされる。

>> 英国王立音楽検定日本事務局オフィシャルサイト 

ここには出来るだけオフィシャルサイトにない経験からの情報や感想などを書きたいのだけれど・・・

特に音高や音大のカリキュラムに自分を投じていなくとも、マイペースで学んでいくことが出来るこの検定のカリキュラムとシステムはとても素晴らしい。
演奏実技に偏らず、理論も学べるところがとてもよい。ここで出している問題集がよいとっかかりとなる。

果たして理論というと何をどのように勉強すればよいのかイメージがわかないという状況を脱するのに、検定を目指して勉強していくのは効果的で効率的だったし、間違いなく、その後の演奏を助けた。

さらに実技試験も課題曲の演奏だけでなく、スケール、ソルフェージュ、初見演奏や口述もある。
理論G5、実技G8は、併せてきほんのき、に違いないのに、楽器のレッスンだけ受けているとそこまでカバーされることがない内容だ。

試験は英国からの試験官がアジアエリアをツアーするので、年2回春と秋に日本でも受けられる(東京、神戸、福岡など)。
実技のグレード1(G1)は子どもも受けるが、グレード8(G8)になると英国王立音楽大学の入試レベルとなっていて、日本からも英国留学前には必ず受けて、そのスコアによって音大入試に加点される仕組みらしい。

検定は最終的に国際的な証明となるディプロマの学位が取得でき、それには最短でもこのようなルートを取らなければならない。

音大や音大院を卒業/修了していようと、留学していようとこの順で行くしかない。

>> 検定内容 に続く

>>理論検定G5 → >>実技検定G8 → ディプロマABRSM