中高年のクラリネット上達法考察 02 無伴奏

「ちょっと無伴奏をやってみませんか?」
と先生が仰り、2か月くらい取り組み中。

見開き1.5~2ページくらいではあるけど、毎週ほぼ新曲課題で、譜読みから曲にしていくまでの時間が正味3日しかない私には結構きつい。

でも、やっと少し曲が見え始める2日目後半くらいから面白くなってくる。

無伴奏に取り組む意義って何だろう?

発音の使い分け、
音色の使い分け、
一人で展開し言い切る力をつけること、
一人で空間をコントロールすること、
などなど

筆一本、水墨画のような?

一人芝居のような?

落語のような?

その見せ方、魅せ方をよくわかって、演奏を追求するべきなのだろうけれど、

何を考え体得させる狙いか、考えている。

自由選曲のコンクールで無伴奏を演奏した社会人の友人は、
『なぜこのような場であえて無伴奏をするのか?
和音の環境(伴奏)がないものを 他の多くのコンテスタント(伴奏者と音楽的にしっかり合わせこんで持ってくる)と同じ土俵に置くのはいかがなものか?』
のような意見をたまわったらしい。

まぁ確かに、単音は寂しい。合奏と違う、それはそれ、といった効果だ。
ただ、上手い人ほど単音でも後ろに伴奏やオケが見える演奏をする。

中高年のクラリネット上達法考察 01 指回し

① 筋肉。

かつて演奏会にきてくださったクラシック愛好家の方が
あなたはいつも何の難なく飄々と速く難しいパッセージを回し切る…なんて後でメールをくれたことが。

いやいやいや(;^_^A、とんでもない。今、大学院のレッスンでも16分や32分がきれいに並ばない指摘。それができないとヴィルトゥオーゾじゃないよ、と。

若い時は速筋頼みでわりと力で回したために、ハードな曲になってくると練習量に伴って腱鞘炎が起きた。つまり間違っている。
今、もうできるだけ脱力し無駄な動きなくコンパクトにいきたいのだ。力では、もうできない。そして更に、全身、若い頃より筋力はおちているのだから、
脱力と効率を考えている。

なぜ、手や指に力が入るのか?
それは、強い指と弱い指があってまるで脱力しているときれいに並ばないからだ

演奏に必要な基礎筋力は今より必要だけど、並行して脱力と効率的指回しを板に付けたい。
どうする?

*****

自分を観察するのと、
次のレッスンまでの期間が短く追い込まれているから、まず浚いこみ。

構え方、ポジション、特に指の深さを少し変えてみると急激によくなる。
長いムカデ音符の中の2音ずつ丁寧に抜き出してゆっくり吹いて動きの無駄、指の配置の悪さをさぐると、あっさりポイントが見つかることもある。
・キーの近くに。
・指先を上げるより指の付け根関節から動かす(図中a)感覚の方が力が抜ける。

・握る手の中心(図中b)を意識して緩やかに丸く握る形にすると、難しいパッセージのときも手指が安定する。
(緑の骨の図を見て! 指の骨の始まりは、こんなところにあるのだということを 最近再認識!)
・指の力は抜けて柔らかいか?動きは柔らかいか?

一音一音に触るような意識で丁寧に。

・上記5つを意識してメトロノーム練習。
・ピアノと違って腕から手首はまっすぐではなく下がる。
・時々手のひらを広げてストレッチすること。
・指だけで回そうとしないこと。必ず息の力を借りて。
・・・という練習になる。

色々あるからまた追加していくとして、

最近思うこと。

それは…

中高年は手にバッグを持たないということ。

安全性とか理由があるけど、重いものを’握る’機会の減少って、握力低下に直結し、指回しの筋肉をも減らしはしないか? だからバッグを手に持とう。練習と並行して、日頃の些細なことをすこし気をつけてみようかしら。

3章 01 大学院2年の春

大人の1年は本当に早い。2年間なんてあっという間だろうに・・・2年目の今年は散々だ。新型コロナによって、とっても気持ちが重い。自分の体調管理をしつつ、みんなの無事を祈る日々。
1か月延期になった確定申告に行った翌々日、緊急事態宣言がなされ、青色申告会もクローズ。
ろくに出歩けず、仕事もキャンセルだらけ。学校もクローズ。
自宅で自分の生徒のオンラインレッスンや動画配信を始めたり、院のレッスンもオンラインで始まった。
仕事がキャンセルだらけならよほど時間があるのだけど、代わりに普段と違うことに急ぎで挑戦しなくてはならず、その準備になど、結構時間がかかる。

でも、練習量は明らかに増えている。先生に提出しなくてはならないコンチェルトの動画がある。その浚いこみもさることながら、基礎固めをしたい。スケールとエチュードばかり。
そんな4月。

07 社会人音大大学院1年の1週間

社会人音大大学院1年生の1週間
だいたいこんな感じだった。という記録だけれど、上の図に不定期のものがガンガン追加される。夜の仕事は、制作案件が多いので、深夜になることも。
ああ、そうだ、日曜夜は和声課題をやっていた。

■レッスン
先生によっては毎週何曜の何時、と決められるケースもあるが、私の先生は不定期で、60分が月3回くらいで、2日連続!ということも何度かあった。朝イチだったり、夜8時からということも。それもあわせて、大体この辺りに入ることが多かったかな?ということで一応図中には書いておいた。

院生の特別レッスン(日ごろの師匠ではない先生に習うことが出来る)や、海外から来日中の演奏家のレッスンも実施される。

ソロの本番(試験含む)の前は、伴奏との合わせも入ってくる。

■オケ、室内楽
本番が近くなると授業が増える。
オケは特に本番3日前から、15:00~21:00まで連日の詰め込みがあり、疲労のピークに本番を迎える。
室内楽授業は不定期で、先生とメンバーが都合よい日を都度決める形式。
授業の前や本番前は、室内楽の合わせが必要で、これもメンバーで組む。朝8時集合で合わせ、9時から室内楽授業、10:30からも同メンバーで別の先生の別の曲の授業…なんてこともあったなぁ。

■特別講座
いろいろ充実していて、先生のご都合で休みの日に開講されていたり、
19時頃にやっていたり。前半は特に、いろいろ行った。

■演奏会
とても多かった。数えられない(^-^;

■日曜は休めたのか?
・・・1/4くらいyes. 自分が演奏やスタッフをする学内演奏会も入るし、仕事もあるし、文献も読みたいし、課題もあるし、練習も・・・
なんて言っていると、眠っていても頭が仕事していた気が。テレビも映画もほとんど観られない。

バテバテてどうしようもなくて、時に夫と飲むお酒が、文字通りガソリン(燃料)になっていたかな。

06 相次ぐ延期と中止

新型コロナウィルスの猛威!
大きなイベントや1000人規模のホールで開催する企業オケ等の中止が出始め、2月末に政府の方針発表がなされると、もう次々とプロオケも延期や中止、各演奏家も続いている。
大学も、自主開催の自粛を促している。小中学校の閉鎖も始まり、大学は卒業式も危うい。

私もいくつかの演奏会本番、スタッフの仕事、いくつかのレッスン(私がする方)、そして様々な行事が飛んでしまった。
数日前まで国内外の演奏家の友人たちから相談や情報収集の連絡が来ていた。
自主開催を決めて頑張っていた人は、本当に断腸の思いだろうな。生活が懸かっているのに、これによって収入どころか大赤字も有り得るケースや、延期できない(機会は1度しかない)事情の人もいる。
でも決行してしまうのは乱暴、無知、無責任。
自分達のためにお客様が危険にさらされてしまうこと、伝播の助長が問題。
悩ましいが、
判断が遅いのは、英断と言わない。

05 音大大学院の成績

各種提出物や課題を終え、実技試験も終えた一月後に成績発表。
音大(大学院)の実技試験評価についてググってみたけど、個人レベルで書かれた記事はほとんど見つからなかった。
みなさん、どうなんでしょうね?

一年間のレッスンの集大成としての実技試験(演奏)は、5人の試験官(審査員)の先生が採点し、その平均点が素点となり、GPAに当てはめられる。
実技試験からズラリとAが並び、わずかにS(+A)があった。
演奏実技やペーパーテストならシビアに成績がつくけど、
そうではない科目について、
とてもざっくりした絶対評価で、SだけはAの中の上位数%なのかな?という印象だ。

ただ、教授によると、院の実技は学部より厳しく採点されるそうだ。
そりゃそうか。

04 院1学年末試験終了

1月で修士1年の試験が終わった。
12月から1月上旬にかけては座学授業でアナリーゼ課題や論文課題の提出が続き、月末は演奏試験。
学部は1~3年までは10分、4年は15分というのがおよその演奏時間だが、修士は1年が25分以内、2年が40分以内、という風に伸びていく。

学部生の多くは、時間も短いだけあって、いや、若さのエネルギーゆえか、当然のように技術的に攻めるチャレンジングな選曲が多い。たしかに、筋力的体力的に、技巧は20歳前後までに伸ばしておかないと。

修士1年は意外とそれほどチャレンジングな選曲は見られなかった。解釈の難しさ、音作り、演奏しきる体力、そういうところに真摯に向き合った演奏が多かったようだ。

修士2年は再び攻める。ギリギリまで、できない、できない・・・と苦しみあがきながら、最後の高いハードルを越えていく先輩たちの姿、しかと見届けました!

私も大曲に挑んだ。譜づらは難しいわけではないが・・・作り込みがとても難しい。
大人が挑むべき名曲。
なんだかもう本当に・・・師匠たち、伴奏の先生・・・が私と共に挑んでくださった感が強い。

「ここを直せ。こうだぞ。ドイツの音楽は、音が揺れちゃいけない。だけど雰囲気がよく出ているな」
「本番はいつもと違うことが起こる。でもあらゆる対応をするのだ!できるようにならなきゃダメ! 表情(表現)は良いから!」
「あなたには音楽があって、本当に好きで演奏しているのがよくわかる。もうここまでできているから、失敗したらそれはもう事故でしかない」
「この曲の本番を何度経ても、本当にこれでよいと思えたことは2度くらいしかない。迷うし考える。こうじゃないか?こうじゃないか、と。あなたも春休みもよく研究して」

仕事や雑務にとられて指の間から抜けていく砂のような時間、
倒れこみそうに疲れているところからまたリハと特別レッスン2階建て、おさらい会連打・・・教えが尊い。
できることはすべてやろうと思った!! 集中した時間はとても濃かった!!!

何度も演奏機会を得たが、
演奏に集中できさえすれば、つまり集中をそぐ材料がほぼ取り除くことに成功したならば、
緊張はさほどしないものだ。とも思った。

03 学年末 おさらい会ラッシュ

音大はこの時期、どの専攻、どの門下でも、学年末試験に向けたおさらい会ラッシュとなる。先に院生の学年末試験演奏があって、その後に学部生の試験がある。同門の演奏を聴きに行くのは有意義だ。試験前にレッスン以外で拘束時間が長いのは辛いけど(;^_^A
先生が大事にしている教えや必然性が、客観的にも見られると思う。
門下によっては他の音大に通う学生や、オケオーディションや進学試験を受ける直前や、輝かしいコンクール歴、というOBOGも。
こんなところで大人学生が演奏するのは、果たしてどんな目や耳で聴かれるのだか。

仕事から走って直行したので、ろくな音出しもできなかったが、
それでも先生と門下生の前で演奏する、という厳しいトレーニングにはなる。

いろんな気づきがある。こんな状態でまーまーやれたと思えるところも僅かにあるけど、たいがい悔しい。もう・・・試験ぎりぎりまでジタバタする!

そして、楽器をリペアに持っていくと、もうびっくりしちゃうほど同窓や同門だらけ!!!
楽器メンテ=刃を研いで戦いに挑むようなものだ。
でも、待っている間、いろいろお話できて嬉しかった。
10代で自分の方向を決めて、親にものすごい大金を出させて進学する。
音楽で生きていく!と自分で早くに決めることができた人たち。
いいな。とも思うし、たとえもう一度10代に戻ったとしても、やっぱり私にはそれはできないとも思った。
「じゃあ、音楽って何よ?」

04 和声

進む方向
VI → IV → II → DD → V

間が飛ぶのはOK
VI II DD,
IV DD など

それと五度五度はDDだけど、
準固さん(準固有和音)は、英語圏ではMI(モーダル・インターチェンジ)と言います。
同主調短調から拝借する夕焼け色のアレ。左に〇

02 音大大学院生活(後期)

音大大学院レッスンの様子

基礎云々、まずければすぐその部分についてたたかれるのだが、できていないことは、そこが自分の立ち位置なのだから、そこで頑張るしか近道はない。
そしてそれ以上にいつも、

しっかりしなさい!若いとできない(想像できない)ことかもしれないけど、あなたは違うでしょう?大人の今のあなたはどう理解している?だからどんな音がほしい?どう表現するのか?そのプランで本当にいいの?・・・と

いつも問われている。

例えば、このたった2音を表現できる数少ない演奏家にならなくてはダメだ!…とも。

和声や修辞学は理解を助け表現を導いてくれる。

時代や作曲家ごとのお作法や定石はもちろんあるが、やっぱり、考えて考えて音楽するものだ。音楽は、脳(と心)だ
とよく思う。
かつてここまで苦しまなかった曲が、今はとても難しい。

しっかりなさい!ダ、まったく!

今更、技巧曲をものすごく速いテンポで演奏しようとは思わないが、正確に指が回る必要は常にあって、譜面を追う目の筋肉と、ソルフェ(視覚的に読み取って頭の中で音程と音価とフレージング…が出来るまで)の速度が一致してくると、きれいに回り始める。譜面とは、常に今音にしているところの先を見ていなくてはならないのだけれど、目が悪い私の場合、目の筋力も鍛えておかねば!とよく思う。