音大小話ファイル 01音大の一般教養

私はかつて、学部より院を選んだ理由の中に、学部で一般教養をやり直す時間が取られるのがもったいない。ということがあったけれど、

学部に一般教養はほとんどない!

少なくとも私が通った音大は。

というわけで、一般教養にはほとんど時間は取られないので、かつての私の認識は間違っていた。

外国語授業などあるにはあれど、少ない。
だから、かつて履修した単位を認定してもらえる数も少ない。

でもやっぱり、学部の授業の詰まり方の方が、院よりはるかに激しく忙しい。そこに身を投じられる環境が揃っているならよいけれど、
家庭があって、仕事があって、という社会人は・・・ぎりぎり通えるとしたら、やっぱり院か。
でも、学んでみて思うことは、2年じゃ短いということ。実感中である。

03 前期~夏休み まとめ

4月~GW

正規の前期開始はGW明けになったけれども、4月からオンラインでレッスンをしてくださった先生もいらっしゃるし、
先生方が手分けして自宅課題をた~んまりと。
コースによっては、音楽史制覇、とか、オペラ解説とか、様々。
私は論文に関わるアナリーゼで、毎週提出。
文献だって図書館に行かないと手に入らないし、予めしておいたコピーで足らず、結局何万円分か購入(;^_^A イテテ
でも、毎週先生からご指導メール着!ヤッホー

5月

緊急事態宣言下にあって学校は引き続きクローズ。図書館も当然ダメ。
オンラインレッスンが一斉に開始。私は学部授業の聴講も。本当は聴講でなく履修したかったけど、希望はかなわなかった。

オンラインは、Google, Zoom, Skype, Line, Facetime のいずれか。
アナリーゼ、指揮法、編曲法、マーチングなど、とても面白い。
私はPC2画面とiPad併用。
何とかしよう!と先生方が物凄い情熱と危機感の中で準備してくださっているのがよくわかる。
(だから出題課題も多い(;^_^A)

・オンラインで解説型、
・オンラインでやり取り共有型、
・動画を作ってオンデマンド型、に分かれる。
※そしてほぼもれなく授業後の課題が毎時ある。

個人レッスンは、私はiPadをデジカムの三脚に設置して受講。
PCで、マイクも使用した環境なら、幾分音にこだわれる。
人それぞれ、あらゆる投資環境によりけり。スマホの学生も多い。
音質は本当にどうしようもない。
だけど、オンラインだからこその利点もあって、
イメージや、アンブシュアや、原語の発音など、お互い画面をのぞき込むようだったり、伝わりづらいことを一生懸命伝え合おうとするのが良かったと思う。

師匠が、門下でリモート合奏をご提案くださる。
なんと!全て編集してくださって、いまやyoutubeに上がっている。

論文は、毎週提出。書き足していって添削を受ける。
これも担当の先生によるらしい。

そして月末に、緊急事態宣言は解除された!

仕事も学校も、一気に始まる!

6月

大きな音大なので学校がどう動くか気がかりだったが、対面レッスン開始は学生にとってご英断。対面レッスンと演奏会が命なのだから、ないなら本当に休学したいに決まっていた。

透明カーテンの仕切りあるレッスン室で。
喜びをかみしめる。やっぱり私たち音大生は生の音で学ばなければ!!!

合奏授業は2メートル計測してSDを取り、何とも不思議な光景ながら、合奏の喜びに浸った。

図書館も、院生のみ学習スペースが使えるようになった。一気に調べもの。すると結構知人や友人に再開した。笑
みんな、無事だったね!

7月

学部生は実技試験もなくなったが、院生はコンチェルトオーディションがあり、
演奏の場がいただけた。
わ~、すごく久々の緊張感!嬉しい!!!
技術的課題を解決しきれていないなりに、音楽に集中した。審査員の中に音色がよいと後で師匠に言ってくださった先生がいらしたそうだから、ま、ま、ヨシとしようか。(ヨくない)

梅雨明け頃は楽器の調整がいる(※予約は5月にするべし)。
おさらい会とコンクールに向けた準備をしないと。

相変わらず演奏やイベントの中止やキャンセルが来たけど、それにしたってルーティンワークはプラス傾向で、暑さでバテ始めてもいて、意外なほど余裕も暇もない。たぶん、毎日軽度の熱中症なのだと思う。暑さ+マスクの辛さ・・・全身の酵素が失活している感じ。

8月

やはり、おさらい会は中止に。

無伴奏音源を送ってあったコンクール審査に通り、中旬にホール演奏の東京地区も通った。

学外の演奏会がひとつ。学校が夏休みならば受けられる、と受けていたもの。ところが夏休みなんてほとんどなかったのだけれども。SDを守り抜いた演奏会。無観客でなくお客様の前!久々の感覚! 嬉しい!!!ありがたい!!!

この暑さ・・・どうやったら健康状態良好で能率を下げずにいられるのだろう???

体力低下中にやっと生きているところ、家族が地方で怪我をして入院。飛んでいきたいところ、命に別状はなく、「コンクールも演奏会もやれ。片付いてから来て。持ち堪えるから」と堪えてくれたことに感謝。自分の業に申し訳なさ雨あられ。
でも人の前に立つとき、気が気じゃない時も心を立てなきゃならんのだ、演奏家は、社会人は!ルーティンワークも急激リスケジュール。各方面へ感謝。涙涙



怒涛の後期はもうすぐ。

02 withコロナの音大

5月末に緊急事態宣言の解除を受けて、再び社会が動き出す。Afterコロナではなく、withコロナ!
6月から徐々に個人レッスンは対面に切り替わる。7月からは合奏授業も。似た動きの音大は首都圏でもあるけど、都心に近づくほど厳しそうだ。前期をまるごとオンラインで通す音大もあるのでは?

教室は、換気と消毒に留意され、透明のカーテンや、科によってはエリザベートパーテーション(エリザベト音大が段ボール会社に依頼して製作されたもの。写真は産経新聞より拝借)が設置されている。

仕事も平常になり、一気にまた目まぐるしく綱渡りの生活に。過渡期は厳しいなぁ・・・。忙しすぎて、仕事と仕事の合間に受けるレッスンに集中できないときは結構滅入る。レッスン中になんてことないところでのミスも多い。体力的にもヘトヘト。
でも対面レッスンが受けられないことを考えたら、ずっとマシ。恵まれている!!

論文書き足しと添削は毎週。すごく有意義なんだけどこれまた結構キツイ。いつも疲れ切った夜中に書くので誤字脱字があるし(;^_^A。

来週が今期の天王山。月~日までフルに埋まっていて、週末金土日に各別件でヘヴィ・ウェイトなものがあって、これをベストを尽くして(しっかり集中出来て体力的にも)乗り越えられたら、むしろ生きていく自信になりそうだよ。( ;∀;)

クリアな視界と、疲れ知らずの頭、電源を切ったみたいに熟睡できる体力がほしい。

06 コードと機能和声


私の場合、VIIのところでわりとあれこれ問題が起こる。
Vの根省を含めて。
ええと・・・どうだっけ?となるので備忘。

それにしても言い方が沢山ある。

短調のダイアトニックについて、
自然、和声、旋律 で違うので、コード名を書き出しておく。

短調のダイアトニック

05 大学院での参考文献

ニューグローブや、MGG(読み:エムゲーゲー)という音楽事典は必須。これは学校の図書館をあてにしつつ、手元に置いておいた方がよいものも沢山ある。

★まずこちら。曲ごとの解説なのでアナリーゼの始めに通読しておくとよい。ドイツやウィーンの作曲家ごとに編纂されている。

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★西洋音楽史 グラウト。結局やっぱり持っていた方が良い!! 使用頻度のわりにそれなりのお値段だということと、上中下巻だというところが悩ましいけど、今更ながら、音楽家ならもつべきもの。

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03 何足もわらじを履く人の上達法

15:45まで外勤をして、移動に30分。16:30のレッスンに飛び込む。

これは何のトレーニングだろう?
頭の切り替え? ウォームアップの脳内完了?

つまり
そのソルフェを実現する喉や口腔の状態に、
そのパッセージを回す柔らかな筋肉に、
その長いフレーズを吹き切る吹奏筋に、
もうなってるの?
みたいな感じ。

今更ながら、本当に脳と身体は繋がっていて、
その音程を その音色を その発音を そのフレーズを
…意識したとき身体がそれを実現する状態になっている。

それを高精度で覚え込ませ実現するのが日々のトレーニング。

逆を言えば、

この音域のとき、身体はこうなっている、とか、こういう息のスピードがいる。
この速回しのときのポジションや筋肉は…などということを 無意識でなくひとつひとつ意識するのが重要ポイント。

そして、やがて無意識にできるようになること。

もう、寝起きにコンチェルトを吹くことにすれば レッスンもうまくいくかな?

・・・いや、それはNO。発想的には間違っていないと思うけど、中高年がこれをやると、筋肉を傷めることウケアイ。

中高年のクラリネット上達法考察 02 無伴奏

「ちょっと無伴奏をやってみませんか?」
と先生が仰り、2か月くらい取り組み中。

見開き1.5~2ページくらいではあるけど、毎週ほぼ新曲課題で、譜読みから曲にしていくまでの時間が正味3日しかない私には結構きつい。

でも、やっと少し曲が見え始める2日目後半くらいから面白くなってくる。

無伴奏に取り組む意義って何だろう?

発音の使い分け、
音色の使い分け、
一人で展開し言い切る力をつけること、
一人で空間をコントロールすること、
などなど

筆一本、水墨画のような?

一人芝居のような?

落語のような?

その見せ方、魅せ方をよくわかって、演奏を追求するべきなのだろうけれど、

何を考え体得させる狙いか、考えている。

自由選曲のコンクールで無伴奏を演奏した社会人の友人は、
『なぜこのような場であえて無伴奏をするのか?
和音の環境(伴奏)がないものを 他の多くのコンテスタント(伴奏者と音楽的にしっかり合わせこんで持ってくる)と同じ土俵に置くのはいかがなものか?』
のような意見をたまわったらしい。

まぁ確かに、単音は寂しい。合奏と違う、それはそれ、といった効果だ。
ただ、上手い人ほど単音でも後ろに伴奏やオケが見える演奏をする。

中高年のクラリネット上達法考察 01 指回し

① 筋肉。

かつて演奏会にきてくださったクラシック愛好家の方が
あなたはいつも何の難なく飄々と速く難しいパッセージを回し切る…なんて後でメールをくれたことが。

いやいやいや(;^_^A、とんでもない。今、大学院のレッスンでも16分や32分がきれいに並ばない指摘。それができないとヴィルトゥオーゾじゃないよ、と。

若い時は速筋頼みでわりと力で回したために、ハードな曲になってくると練習量に伴って腱鞘炎が起きた。つまり間違っている。
今、もうできるだけ脱力し無駄な動きなくコンパクトにいきたいのだ。力では、もうできない。そして更に、全身、若い頃より筋力はおちているのだから、
脱力と効率を考えている。

なぜ、手や指に力が入るのか?
それは、強い指と弱い指があってまるで脱力しているときれいに並ばないからだ

演奏に必要な基礎筋力は今より必要だけど、並行して脱力と効率的指回しを板に付けたい。
どうする?

*****

自分を観察するのと、
次のレッスンまでの期間が短く追い込まれているから、まず浚いこみ。

構え方、ポジション、特に指の深さを少し変えてみると急激によくなる。
長いムカデ音符の中の2音ずつ丁寧に抜き出してゆっくり吹いて動きの無駄、指の配置の悪さをさぐると、あっさりポイントが見つかることもある。
・キーの近くに。
・指先を上げるより指の付け根関節から動かす(図中a)感覚の方が力が抜ける。

・握る手の中心(図中b)を意識して緩やかに丸く握る形にすると、難しいパッセージのときも手指が安定する。
(緑の骨の図を見て! 指の骨の始まりは、こんなところにあるのだということを 最近再認識!)
・指の力は抜けて柔らかいか?動きは柔らかいか?

一音一音に触るような意識で丁寧に。

・上記5つを意識してメトロノーム練習。
・ピアノと違って腕から手首はまっすぐではなく下がる。
・時々手のひらを広げてストレッチすること。
・指だけで回そうとしないこと。必ず息の力を借りて。
・・・という練習になる。

色々あるからまた追加していくとして、

最近思うこと。

それは…

中高年は手にバッグを持たないということ。

安全性とか理由があるけど、重いものを’握る’機会の減少って、握力低下に直結し、指回しの筋肉をも減らしはしないか? だからバッグを手に持とう。練習と並行して、日頃の些細なことをすこし気をつけてみようかしら。

3章 01 大学院2年の春

大人の1年は本当に早い。2年間なんてあっという間だろうに・・・2年目の今年は散々だ。新型コロナによって、とっても気持ちが重い。自分の体調管理をしつつ、みんなの無事を祈る日々。
1か月延期になった確定申告に行った翌々日、緊急事態宣言がなされ、青色申告会もクローズ。
ろくに出歩けず、仕事もキャンセルだらけ。学校もクローズ。
自宅で自分の生徒のオンラインレッスンや動画配信を始めたり、院のレッスンもオンラインで始まった。
仕事がキャンセルだらけならよほど時間があるのだけど、代わりに普段と違うことに急ぎで挑戦しなくてはならず、その準備になど、結構時間がかかる。

でも、練習量は明らかに増えている。先生に提出しなくてはならないコンチェルトの動画がある。その浚いこみもさることながら、基礎固めをしたい。スケールとエチュードばかり。
そんな4月。

07 社会人音大大学院1年の1週間

社会人音大大学院1年生の1週間
だいたいこんな感じだった。という記録だけれど、上の図に不定期のものがガンガン追加される。夜の仕事は、制作案件が多いので、深夜になることも。
ああ、そうだ、日曜夜は和声課題をやっていた。

■レッスン
先生によっては毎週何曜の何時、と決められるケースもあるが、私の先生は不定期で、60分が月3回くらいで、2日連続!ということも何度かあった。朝イチだったり、夜8時からということも。それもあわせて、大体この辺りに入ることが多かったかな?ということで一応図中には書いておいた。

院生の特別レッスン(日ごろの師匠ではない先生に習うことが出来る)や、海外から来日中の演奏家のレッスンも実施される。

ソロの本番(試験含む)の前は、伴奏との合わせも入ってくる。

■オケ、室内楽
本番が近くなると授業が増える。
オケは特に本番3日前から、15:00~21:00まで連日の詰め込みがあり、疲労のピークに本番を迎える。
室内楽授業は不定期で、先生とメンバーが都合よい日を都度決める形式。
授業の前や本番前は、室内楽の合わせが必要で、これもメンバーで組む。朝8時集合で合わせ、9時から室内楽授業、10:30からも同メンバーで別の先生の別の曲の授業…なんてこともあったなぁ。

■特別講座
いろいろ充実していて、先生のご都合で休みの日に開講されていたり、
19時頃にやっていたり。前半は特に、いろいろ行った。

■演奏会
とても多かった。数えられない(^-^;

■日曜は休めたのか?
・・・1/4くらいyes. 自分が演奏やスタッフをする学内演奏会も入るし、仕事もあるし、文献も読みたいし、課題もあるし、練習も・・・
なんて言っていると、眠っていても頭が仕事していた気が。テレビも映画もほとんど観られない。

バテバテてどうしようもなくて、時に夫と飲むお酒が、文字通りガソリン(燃料)になっていたかな。