04 音大大学院生活(前期)

もちろん03に書いたような摩耗だけではないから記録しておく。

レッスン

レッスンは前期で60分15回±α。毎月門下の時間割係に自分の時間割と仕事その他で不都合日時を予め伝えておくと、2週間後くらいにレッスン時間割が発表になる。
それが結構間違えていたり、2週間も待っているうちにどんどん仕事が入っていたりであとで泡を食いながら他の学生に日時交換を交渉する。

レッスンで要求されるレベルは高い。とても有意義。
かなり突っ込まれるし、反対にこんなこともできないの?と自分にがっかりすること多々。
簡単なことはとても難しく、それをいかに意識して丁寧にやってきたか、その少しの差がとても大きい成果と効果を生む。こんな簡単で重要なことが出来ていない自分をよく見つめないと、一生飛べないだろう。
表現、音の出し方作り方に、和声感、修辞学・・・アナリーゼをいかにしているかが問われる。

室内楽

室内楽は管弦ピアノ各コースからの院生が集まったところで、トリオ以上の編成で曲によって何通りか組み、人が足りないパートには演奏補助員が入ってくれる仕組み。
先生によるアナリーゼ、先生が加わった演奏と指導・・・などこれまた有意義!!

オケ

オケは詰め込み型。午後から21時まで連日で急激に詰めるので、体力勝負。
でも同時にその頃オーディションもある。私は選曲が遅かった上に新曲だったのでよく浚いこむ時間が必要だったのに、公私あらゆることが重なり散々。
それでも立派に乗り越えてゆく演奏家は確実にいるので、言い訳できない。

論文

論文に必要なMGG(エムゲーゲー)やニューグローブなどの音楽事典や、海外の論文の見方、探し方を習い、その後ひとまず1曲選んでその曲の成立年や年表など調べ、同時にソース(一次、二次)を提示する課題が出た。私は某シンフォニーを。

アナリーゼ

アナリーゼの課題はBeethoven ピアノソナタから。形式、主題や楽想、調の変化、特徴などを文章で記述する。
ちまたの文献の分析が幾通りもあって悩ましかった。結局どうするか、先生が授業でどう説明したかで先生の基本姿勢をうかがいつつの自分の判断で書いていった。
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使用参考文献:

  • ルードルフ・レティ / ベートーヴェン ピアノ ソナタの構築と分析 音楽の友社 2003
  • 諸井誠 / ベートーヴェン ピアノ・ソナタ研究Ⅱ「人生ソナタ」における展開部と再現部 音楽の友社 2008
  • パウル・バドゥーラ=スコダ / 新版 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 演奏法と解釈 音楽の友社 2003
  • ムジカノーヴァ 2019年5月号 音楽の友社 / 連載 仲代郁子の私的ベートーヴェン演奏論

その他

必修ではないが演奏家に特化した英語やヨガ授業があるのも特徴かも。内容もユニークだし、いろんなコースの院生と交流できて楽しいひと時だった。

来日中の演奏家による公開レッスンをいくつか聴講したり、学内外の演奏会をいくつも聴きに行ったり、学部の演奏会に賛助出演したり。

面白くてたまらない一方で、眠くてたまらない日はとても多かった・・・(^-^;

・・・そんな前期。

03 疲れが音色を壊していく

仕事の都合で年度途中にどの授業に出られなくなるか読めないので、取れるものは履修し出席率100%。更に海外の先生のレッスンの聴講も学友会もボランティアも、学内外で演奏会出演も…という前期。
欲張った。その全部がほしかった!!!
その内容はすべて良かった・・・けれど、自分の方があまりに有限だった。。泣

すると、月を追うごとに音色が痩せ始めた。
そして音色の制御ができなくなっている。
それがなければ意味がないのに。

よく響く。でも音が硬く細い。
音色は極端に言えば、響くが暴れるか、デッドだがしっとりするか、
理想はその間のとてもわずかな吊り橋のような足場の上にある。
一度右へ振り切ってしまった、と思ったので、発音の仕掛けを変えて今度は左へ振ってみた。

でも、それだけでは足りない。
一番重要な、何を見失っているのだろう?
よく耳と目で自分を観察する。
そして、10数年前にも日々忙しすぎて同じ悩みを抱えたことを思い出す。
あのとき、克服のヒントは声楽と・・・

元の自分を取り戻そう。

いろんなことが筋肉のなせるわざだから、疲れすぎると音色を壊す。
まずよく寝てから耳を澄まして考える。
姿勢が物凄く大事!

後期はもっと音づくりと音楽に集中しよう!

もうすぐ復活する!

02 調性は修辞学? 勉強用備忘

調べている途中のものなどの走り書き。随時加筆修正。正しいと限りません!

調性 意味など
C-dur   ソナチネアルバム…というイメージ(;^_^A実際そうでもないが
c-moll 死、
ベト:悲しみ、慟哭
ベト:交響曲第5番「運命」op.67,
ピアノソナタ第8番「悲愴」op.13
ブラームス交響曲第1番op.68
D-dur ヴァイオリンが最もよく響く(開放弦)  
d-moll 悪魔の調? ベト:ピアノソナタ第17番「テンペスト」op.31-2
モツ:魔笛 夜の女王アリア
「 復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」
E-dur
40代
昔:シューベルト 冬の旅より菩提樹
40代:R.シュトラウスばらの騎士の元帥夫人やおばさん。ゾフィはG-dur
e-moll    
F-dur 母親。穏やか。優しい。 子守歌多い
f-moll 音楽学者シューバルト?:深い憂鬱、悲痛なうめき声、死への憧憬、受難 マタイ受難曲
G-dur バッハ:神
若者。
シューベルト《野ばら》は少年という意味
g-moll バッハ、モツ、シューベルト・・・:死の予感  
A-dur 聖なる光
ハイドン/オラトリオ《天地創造》
a-moll    
B-dur うそ
安心している状態(例:フィガロNr.20)
 
b-moll    

意味
空(カラ)5° 田舎。バグパイプでなど
減七 不吉
使って展開していくことは多
ナポリ 主調Ⅰの半音上の長3和音。ほの暗い、やすらぎ
下降型の2° ため息 Bachも
6/8 風が吹いてる。戸外。
Mozのturn 愛情。「僕のこと好き?愛してくれる?」と聞いている。
ギャラントスタイル マリーアントワネットの様式、総レース…で、普通の人には鼻持ちならない
和音の構成音 第1音:安定、
第5音:希望、
第3音:もっと繊細。durなら下げる 
ベト: メヌエットは嫌い。自分をあざ笑うように
マゾヒスティックな面が。
変奏曲 主題をどんどん華やか、複雑にしていく。でも同じ曲。
mollが来ると、曲全体の真ん中まで来たと貴婦人たちのもわかる。音数は少なくてよい。次のVAR.はTempo(例:Adagio,Lento)を必ず書き、色々な細かなリズムや装飾を使う。ラストは速い。
よく、有名曲を技巧ある演奏家が変奏曲にアレンジすることがある。技巧を追っていくうちにもとテーマがわかりずらくなってくるような場面であっても、やっぱり、どれだけメイクが分厚く特殊メイクチックにされても、もとは同じ顔だ!と思わないと、大事な音を見失うな、と最近思った。
人の曲のマネ ベトの中期くらいまで、人のものをつかうのはよくあったらしい。
古典派 100人いたら100人が美しいと思う理想的な特徴を備える。個性的でなく。
マンハイム楽派 マンハイム宮廷楽団 特徴 交響曲の生涯(石多正男 東京書籍)参照

1.強弱法。特に急激なクレッシェンド(マンハイム・クレッシェンド) とデクレッシェンド、「打ち上げ花火」と呼ばれる分散和音による上昇音型、クレッシェンドを支えるトレモロ、強弱の突然の変化。
2.曲冒頭のフォルテの連打。
3.単なる主題の並列ではなく、各主題相互に意味のあるコントラスト
4.旋律の民謡的特徴。歌曲(リート)の原則にしたがって形成される主題。
5.唐突な全休符。
6.メヌエット楽章のトリオで、フランス起源の管楽アンサンブルを用いたこと。
7.「マンハイムの溜息」(二度下降の掛留)
8.エコー(パリの聴衆が熱狂したという)
9.弦楽器群のボーイングの統一

追加
マンハイムの稲光り
意味
6°上行跳躍 「官能の6°」。ホルンなどで。